家賃保証会社とは?——「加入必須」にしている大家が、その理由と仕組みを正直に話します 賃貸

家賃保証会社とは?——「加入必須」にしている大家が、その理由と仕組みを正直に話します

賃貸の部屋を借りるとき、「家賃保証会社への加入が必須です」と言われた経験はありませんか?

「連帯保証人を頼める親がいるのに、なぜ?」「保証料って何のお金?」「これ、入らないとダメなの?」——借りる側からすると、正直モヤッとするポイントだと思います。

私は賃貸経営に携わって10年以上の現役大家で、宅地建物取引士でもあります。そして、うちの物件は全戸、保証会社への加入を必須にしています。

今日は「なぜ大家は保証会社にこだわるのか」を、大家側の本音も含めて正直にお話しします。これから部屋を借りる方にも、親のアパートを相続して大家になる方にも、役立つ内容です。

この記事の結論

  • 家賃保証会社とは、入居者が家賃を払えないとき、大家に立て替え払いしてくれる会社
  • 連帯保証人の「代わり」になる仕組みで、今や賃貸契約の約8割で使われている
  • 費用は入居者負担が一般的(初回:家賃の0.5〜1ヶ月分程度、更新料:年1万円程度など)
  • 大家が必須にする理由は「入居者を疑うため」ではなく、滞納が起きたときにお互いを守るため
  • 審査は「管理会社の一次審査 → 保証会社の審査」の二段構えが実務の流れ

順番に説明します。

1. 家賃保証会社の仕組み——「連帯保証人の会社版」

家賃保証会社の仕組みは、シンプルに言うとこうです。

  1. 入居者が保証会社に保証料を払って契約する
  2. もし家賃の滞納が起きたら、保証会社が大家に家賃を立て替え払いする
  3. 保証会社は、立て替えた分を入居者に請求(回収)する

つまり、昔ながらの「連帯保証人(親や親戚)」がやっていた役割を、会社が有料で引き受ける仕組みです。

なぜ連帯保証人から保証会社に変わったのか

ひと昔前は「保証人は親に頼む」が当たり前でした。それが変わった背景には、大きく2つの流れがあります。

  • 2020年の民法改正:個人が連帯保証人になる場合、「いくらまで責任を負うか(極度額)」を契約書に明記しないと無効、というルールになりました。保証人側の負担が明確になった分、「そこまでの責任は負えない」と断られるケースも増え、個人保証は使いにくくなりました
  • 頼める人がいない時代に:高齢の親には頼みにくい、親族と疎遠、単身の高齢者——「保証人を出せる人」のほうが少数派になりつつあります

国土交通省の調査では、いまや賃貸借契約の約8割で保証会社が使われているとされています。「保証会社必須」は、特別に厳しい物件の話ではなく、業界の標準になっているのです。

2. なぜ私は「全戸必須」にしているのか——痛い経験から

うちの物件では、全戸、保証会社への加入を必須にしています。連帯保証人は取らず、保証会社で代替する形です。

正直に言うと、最初からそうだったわけではありません。きっかけは、保証会社に入っていなかった時代に、家賃滞納と夜逃げを経験したことです。

滞納が続き、管理会社を通じて催促しても払われず、ある日突然いなくなっていた——。保証会社に入っていなかったので、滞納分はまるごと大家の損失。回収できないまま泣き寝入りでした。このときの詳細は、こちらの記事に書いています。

家賃滞納・夜逃げされた大家の実話——保証会社に入っていなかった私が、今は”必須”にしている理由

この経験から学んだのは、保証会社は「入居者を疑う仕組み」ではなく、滞納という万一の事態から、大家と入居者の関係を守る仕組みだということです。

保証会社があれば、大家は滞納が起きても冷静でいられます。感情的な取り立てや関係の悪化を防ぎ、手続きはプロに任せられる。「お金の問題」と「人間関係」を切り分けられる——これが一番大きな価値だと、私は思っています。

3. 審査は「二段構え」——実務のリアルな流れ

「保証会社の審査って厳しいの?」とよく聞かれます。うちの物件での実際の流れはこうです。

  1. 管理会社の一次審査:申込書の内容(収入・勤務先・人柄など)を管理会社がまず確認
  2. 保証会社の審査:一次審査を通った人について、保証会社が支払い能力を審査

この二段構えなので、保証会社の審査まで進んだ人が落ちたことは、うちではこれまでありません。一次審査の段階で「この方なら大丈夫」という人だけが進む仕組みになっているからです。

つまり、借りる側から見ると「保証会社の審査」は思っているほど怖いものではありません。収入に見合った家賃の物件を選んでいれば、過度に心配する必要はない——これが実務側の感覚です。

大家が入居審査で何を見ているかは、こちらの記事に詳しく書いています。

大家が入居審査で本当に見ているポイント

4. 入居者側の費用とメリット・注意点

費用の相場

保証料は入居者負担が一般的です。相場はざっくり:

  • 初回保証料:家賃の0.5〜1ヶ月分程度(プランにより幅があります)
  • 更新料:年1万円程度、または月額で家賃の1〜2%程度

「余計な出費」に見えますが、連帯保証人を頼む気苦労(親や親戚に頭を下げ、書類を書いてもらい、迷惑をかけるかもしれない心配)がなくなる、と考えるとどうでしょうか。お金で解決できる安心料という側面もあります。

メリット

  • 保証人を頼まなくていい:親が高齢でも、親族と疎遠でも、部屋を借りられる
  • 審査がスムーズ:保証人の書類集め(印鑑証明など)が不要な分、契約が早い
  • 高齢でも借りやすくなる:保証会社が通れば貸せる、と考える大家は多いです(高齢者の賃貸入居について書いた記事でも触れました)

注意点

  • 滞納すると督促はしっかり来ます:保証会社は回収のプロです。「保証会社が払ってくれるから滞納してもいい」は大きな誤解で、立て替えられた分は必ず入居者に請求されます
  • クレジットカード会社系の保証会社の場合、信用情報に影響することも:滞納の記録が、将来のカード作成やローン審査に響く可能性があります(ちなみに、うちの物件で使っているのもクレジットカード会社系の保証会社です)
  • 保証会社は入居者が選べないのが普通です(物件ごとに大家・管理会社が指定します)

5. これから大家になる人へ——保証会社は「必須」にすべき

親のアパートを相続するなどして、これから大家になる方には、はっきりお伝えします。

保証会社の加入は、必須にしてください。

「昔からの入居者さんだから」「人がよさそうだから」で保証なしのまま貸し続けるのは、私が身をもって経験した通り、滞納が起きた瞬間にすべての損失を自分で被るということです。

理学療法士として現場で痛感している「転ぶ前の予防が何倍も賢い」は、賃貸経営でもまったく同じです。保証会社は、大家にとっての一番確実な「転倒予防」です。

まとめ

  • 家賃保証会社は滞納時に家賃を立て替えてくれる「連帯保証人の会社版」。今や賃貸契約の約8割で利用
  • 費用は入居者負担が一般的(初回0.5〜1ヶ月分程度+更新料)だが、保証人を頼む気苦労がなくなる安心料でもある
  • 審査は管理会社→保証会社の二段構え。収入に見合った物件なら過度な心配は不要
  • 大家側の本音:保証会社は入居者を疑う仕組みではなく、万一のときにお互いの関係を守る仕組み
  • これから大家になる人は、迷わず必須に

なお、契約内容や保証プランの詳細は物件ごとに異なります。個別の判断は、管理会社や宅建士など専門家にご確認ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。


著者プロフィール けいすけ / 理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。医療と不動産、両方の現場から「親の家、どうする?」を考えます。

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けいすけ(運営者)

理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。 医療と不動産、両方の現場から見えてくる「親の家のリアル」を、なるべくフラットな視点で発信しています。