親の土地、相続税はどう決まる?評価額が変わる「土地の区切り方」を宅建士がやさしく解説 相続

親の土地、相続税はどう決まる?評価額が変わる「土地の区切り方」を宅建士がやさしく解説

親が持っている土地を相続したとき、避けて通れないのが「相続税」です。

でも、こんなことをご存じでしょうか。

同じ土地でも、「どこからどこまでを1つの土地として数えるか」で、相続税の金額が大きく変わることがあるのです。

私は宅地建物取引士(不動産の国家資格)を持ち、家族の法人で大家歴10年以上。今は自分自身も、これから親の土地と向き合う一人です。その立場から見ると、「土地の評価」は思っている以上に奥が深いと感じます。

今日は、相続税のキモになる「土地の評価単位(=土地の区切り方)」について、できるだけやさしくお話しします。

この記事の結論

  • 相続税の土地の評価は、「登記簿の区切り」ではなく「実際の使われ方のまとまり」で決まる。
  • 登記簿に書かれた地目(宅地・畑など)も、そのままでは当てにならない。 亡くなった日の“実際の使い方”で判断される。
  • わざと不自然に分けて評価額を下げるのはNG(「不合理分割」と呼ばれ、認められない)。
  • 区切り方ひとつで納める税金が変わるので、土地に強い税理士に相談するのが安全

順番に見ていきましょう。

1. そもそも「土地の評価単位」って何?

土地には「筆(ふで)」という、登記簿の上での区切りがあります。土地の戸籍のようなもので、1つの土地ごとに番号(地番)がついています。

ところが、相続税で土地を評価するときは、この「筆」の区切りでは数えません。実際にどう使われているか、そのまとまりで1つと数えます。これを「一画地(いっかくち)」といいます。

身近な例で考えてみましょう。

  • 登記簿の上では2つに分かれている土地でも、まとめて1軒の庭付き一戸建てとして使っていれば、相続税では「1つ」として評価します。
  • 逆に、登記簿では1つの大きな土地でも、半分を自宅・もう半分を人に貸す駐車場にしていれば、「2つ」に分けて評価することもあります。

つまり、紙の上の区切りではなく、「実際の暮らしぶり」で区切るということです。

2. 「登記簿の地目」は、そのままでは当てにならない

地目(ちもく)とは、登記簿に書かれた土地の種類のことです。宅地・畑・山林・原野…などがあります。

ここも勘違いしやすいポイントです。登記簿が「畑」になっていても、実際にそこに家が建って人が住んでいれば、相続税では「宅地」として評価します。

判断の基準は、あくまで「亡くなった日に、その土地が実際にどう使われていたか」。紙に何と書いてあるかではありません。

3. わざと安くする「不自然な分け方」は通用しない

ここがいちばん面白いところです。

土地は「分け方」で評価額が変わります。すると、こう考える人が出てきます。

「じゃあ、相続のときに都合よく分ければ、税金を減らせるのでは?」

たとえば——道路にちゃんと面した使いやすい自宅の土地を、わざと「道路に接しない奥まった土地」になるように細長く分けてしまう。すると、その奥の土地は“道路に面していない土地(無道路地(むどうろち)といいます)”の扱いになり、評価額がぐっと下がる…という裏ワザのような話です。

でも、安心してください(というか、覚えておいてください)。これは「不合理分割」として認められません。

家族間で、たとえ悪気がなくても、著しく不自然な分け方をした場合は、税務署は「分ける前の形」に戻して評価します。 これを許してしまうと、土地をぐちゃぐちゃに分けるだけで税金がいくらでも安くできてしまうからです。だから、小細工は通用しないようになっているわけです。

4. じゃあ、どうすればいいの?

ここまで読んでお分かりのとおり、土地の評価は「自己流」がいちばん危ない分野です。

  • 謄本(登記簿)や公図を見て、「うちはこういう区切りだから評価額はこれくらい」と自分で決めつけない
  • 土地の評価は、担当する税理士によって金額(=納める税金)が変わることがあるほど専門的です。
  • 特に、土地や不動産が多い相続は、評価の差がそのまま納税額の差になります。

「相続税の申告が必要かどうか」がそもそも分からない方は、先に 相続税の申告は必要?かかるのは10人に1人だけ も読んでみてください。そのうえで、土地が多いなら 不動産が絡む相続の税理士選び を参考に、一度プロに見てもらうのが安全です。

まとめ

最後に、今日のポイントをもう一度まとめます。

  • 親の土地の相続税は、「土地の区切り方(評価単位)」で変わる
  • 区切りは登記簿ではなく、実際の使われ方のまとまり(一画地)で決まる。
  • 登記簿の地目も、実際の使い方で判断される。
  • ずるい分け方(不合理分割)は通用しない。
  • 区切り方ひとつで納税額が変わるので、土地に強い税理士に相談するのがいちばん安全

私自身も、これから親の土地と向き合う一人として、「知らないまま進めるのがいちばん怖い」と感じています。土地の評価は、知っているだけで損を防げる場面がたくさんあります。少しでもお役に立てればうれしいです。


著者プロフィール けいすけ / 理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。医療と不動産、両方の現場から「親の家、どうする?」を考えます。

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けいすけ(運営者)

理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。 医療と不動産、両方の現場から見えてくる「親の家のリアル」を、なるべくフラットな視点で発信しています。