実家を相続したり、物件を法人名義に切り替えたりするとき、意外と後回しにされがちなものがあります。
火災保険です。
土地や建物の名義は登記簿を書き換えれば変わりますが、火災保険の契約者・受取人は自動的には変わりません。うちも複数物件を抱える中で、この見直しのタイミングと、保険の選び方について考えることが増えました。今日はその実体験を交えて解説します。
この記事の結論
- 相続・法人化で不動産の名義が変わっても、火災保険の契約は自動的には引き継がれない
- 名義変更のタイミングは、火災保険を見直す良い機会
- 損保の火災保険とJAの建物更生共済(建更)は仕組みが違う。建更は掛け捨てでなく貯蓄性がある分、割高に感じることがある
- 複数物件を持つなら、契約者・受取人・建物の名義が一致しているか、定期的な確認がおすすめ
- 保険金請求の対応は保険会社・担当者によって差がある。一度断られても諦めずに正式な審査を申し込む
1. 名義が変わっても保険はそのまま、が落とし穴
相続や法人化で不動産の名義が変わっても、火災保険の契約はそのまま何もしなければ変わりません。すると次のようなズレが起きやすくなります。
- 建物の所有者は法人になったのに、契約者は個人のまま
- 万が一の際、保険金の受取人と実際の所有者が一致していない
- 相続で複数の相続人が共有することになったのに、契約は亡くなった方の名義のまま
名義変更の手続きをするタイミングで、保険会社に連絡して契約者・所有者の情報を更新する——これを忘れずにやっておくことが大切です。
2. うちの実例:損保ジャパンがメイン、JAの建更も一部
うちの場合、物件の火災保険は損保ジャパンがメインです。ただし一部の物件ではJAの建物更生共済(建更)にも加入しています。
正直に言うと、JAの建更は割高に感じています。
3. 損保の火災保険とJA建更、何が違うのか
同じ「建物の万が一に備える」仕組みでも、この2つは性質がかなり違います。
- 損保の火災保険:掛け捨て型。保険料は比較的抑えめだが、満期時に戻ってくるお金はない
- JAの建物更生共済(建更):積立型に近い性質があり、火災・自然災害の保障に加えて、満期時に一定額が戻ってくる仕組みがある
建更は「保障+積立」の分、保険料が高めに設定されているのが一般的です。うちが「割高」と感じるのも、この積立部分のコストが上乗せされているためだと理解しています。どちらが良いというより、「保障だけでいいか」「積立要素も欲しいか」で選ぶものという整理です。
4. 相続・法人化のタイミングでチェックしたいこと
- 契約者・受取人が、現在の所有者(個人 or 法人)と一致しているか
- 複数物件をまとめて管理しているなら、保険会社・保障内容がバラバラになっていないか一度洗い出す
- 古くからの契約は、補償内容が今の建物評価額に合っているか(建て替え・増築があれば要確認)
- 保険と共済、複数の仕組みが混在している場合は、それぞれの保険料と保障内容を並べて比較してみる
修繕費の積立と合わせて、こうした固定費の定期チェックは、地味ですが大家業の基本です(修繕費積立の考え方の記事もあわせてどうぞ)。
5. 保険金請求をしてみて分かったこと
火災保険は「入って終わり」ではありません。実際に請求する場面が来て、初めて保険会社の姿勢が見えてきます。
以下は個人で加入している火災保険での経験ですが、対応の差という点は法人契約でも同じことが言えると思うので、書いておきます。
損保ジャパンは、対応がスムーズでした。 先日、洗面台に穴が開いてしまったときに請求をしましたが、審査は問題なく通り、対応も早かったです。こういうときの動きの速さは、正直ありがたいと感じます。
一方、別の保険会社に請求したときは、一度審査に通りませんでした。お風呂のキャビネットが破損したケースです。
ただ、そこで諦めずに再度申し込んだところ、担当者が変わったタイミングで審査が通り、無事に保険金が支払われました。
ここで学んだのは、電話を受けた最初の担当者が、そのまま審査を判断するわけではないということです。保険会社によっても、担当者によっても対応は変わります。一度断られたからといって諦めず、正式な審査は申し込んでみることをおすすめします。
まとめ
- 不動産の名義が相続・法人化で変わっても、火災保険は自動的には引き継がれない
- 名義変更のタイミングで、契約者・受取人の見直しを忘れずに
- 損保の火災保険とJA建更は仕組みが違い、建更は保障+積立の分、割高に感じられることがある
- 複数物件・複数の保険が混在しているなら、定期的な棚卸しがおすすめ
- いざ保険金請求となったとき、対応の早さや審査結果は保険会社・担当者によって差がある。一度断られても諦めずに申し込んでみる価値がある
火災保険は普段あまり意識しないものですが、相続や法人化という「名義が動くタイミング」こそ、見直しの絶好の機会です。うちも今回改めて整理して、割高に感じているJA建更を継続するかどうか、次の更新時期に考えてみようと思っています。
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