「相続税の申告、どこの税理士に頼めばいい?」「税理士って全員同じじゃないの?」
実は税理士も医者と同じで、得意不得意があります。内科・外科・整形外科があるように、税理士にも「相続専門」「法人税専門」「個人事業主専門」などの得意分野があります。
この記事でわかること:
- 税理士を専門外で選ぶと何が起きるか
- 相続・不動産案件に合った税理士の探し方3つ
- 初回相談で確認すべき「相性チェック」5ポイント
- 費用の目安と「安すぎる税理士」への注意
私はリハビリの仕事をしながら、大家として11期目を迎えています。これまで確定申告・法人設立・不動産取引などで複数の税理士とやり取りしてきた経験から、「税理士選びで損しないコツ」をお伝えします。
この記事を読むことで、自分の状況に合った税理士の探し方と、初回相談での見極め方がわかるようになります。
税理士は全員同じじゃない——専門外に頼むと損するケースがある
Point:税理士の得意分野は医者の診療科目と同じで、相続専門・法人専門・個人事業主専門に分かれています。専門外の先生に頼むと、使えるはずの特例を見落とすことがあります。
医者に例えると、こういうことです。
- 腰が痛いのに「内科」に行く → 診てもらえるかもしれないが、専門家ではない
- 相続税の申告なのに「個人事業主専門の税理士」に頼む → 同じような問題が起きる
なぜ専門外に頼むと損をするのか
相続税には「小規模宅地等の特例」という制度があります。ざっくり言うと、「相続した自宅の土地の評価額を最大80%減らせる」という特例です。
この特例、使える条件が細かく、相続税申告の件数が少ない税理士だと見落とす・使いこなせないケースがあります。相続財産が3,000万円の土地なら、特例を使えば評価額が600万円になる計算。使うかどうかで相続税額が大きく変わります。
税理士の主な専門分野
| 専門分野 | 向いているケース |
|---|---|
| 相続税専門 | 相続税申告・遺産分割・土地評価 |
| 法人税専門 | 法人設立後の決算・節税対策 |
| 個人事業主専門 | フリーランス・青色申告 |
| 不動産所得専門 | 大家・不動産投資家の確定申告 |
「街の税理士さんにお任せ」も悪いわけではありませんが、相続税や不動産所得が絡む場合は、専門に合った先生を選ぶほうが確実です。
相続・不動産案件に合った税理士の探し方3つ
Point:相続・不動産に強い税理士を見つけるには「税理士紹介サービス」が最も効率的です。条件で絞り込めるため、専門外の先生にあたるリスクを減らせます。
① 税理士紹介サービスを使う
「相続専門」「不動産所得専門」など条件を絞って探せるサービスがあります。
- 無料で複数の税理士と相談できるものも多い
- 地域・専門・費用感などで絞り込みができる
- 紹介サービス側が事前審査しているため、一定の品質が担保されている
初めて税理士を探す方には、この方法が最もリスクが低いです。
② 税理士会・税理士ドットコムなどで探す
- 日本税理士会連合会のウェブサイトから、地域で検索できる
- 税理士ドットコムなどのプラットフォームで口コミ・専門分野を確認できる
注意点として、「相続税」と書いてあっても年間件数が少ない税理士もいます。初回相談で「年間何件の相続案件を担当していますか?」と確認するのが確実です。
地域・専門分野・費用で絞り込み。初回相談は無料の先生も多いです。
③ 信頼できる人からの紹介
- 同じ状況の知人・親族からの紹介は信頼度が高い
- ただし「良い税理士さん」が自分の案件の専門とは限らない
- 紹介でもらった先生でも、専門分野と費用感の確認は必ずする
実は私も、高校・大学時代の友人に税理士や公認会計士がいて、相談に乗ってもらったことがあります。ただ、近すぎる関係だと「断りにくい」「費用を言い出しにくい」という独特のやりにくさがありました。友人たちも口を揃えて「税理士は相性が大事だから、対等な立場で話せる先生を選んだほうがいい」と言っていたのが印象に残っています。
どの方法でも最終的に「初回相談」で相性確認をすることが大切です。
初回相談でこれを確認する——相性チェックの5ポイント
Point:多くの税理士は初回相談が無料または安価です。「依頼するかどうかを確かめる場」として使うのが正解です。断ることを遠慮しなくて大丈夫です。
私自身、これまで何人かの税理士の先生に担当していただいてきました。先生が替わるたびに感じたのは、それぞれ個性があり、同じ質問でも答えが微妙に異なることがある、ということです。税務にはグレーゾーンが多く、「どう解釈するか」は担当者によって違う部分があります。
だからこそ、「絶対に正しい答えをくれる先生」を求めるより、「自分の状況をちゃんと聞いて、一緒に考えてくれる先生」を選ぶほうが、長い付き合いではうまくいく気がしています。
① 「相続案件は年間何件担当していますか?」と聞く
正直に答えてくれる先生かどうかも確認できます。
- 年間20〜30件以上なら経験豊富
- 「あまり多くはないが対応できます」という先生には注意
- 答えを曖昧にされたら、それ自体がサイン
② 説明がわかりやすいかを確認する
- 「小規模宅地等の特例」を聞いたとき、わかりやすく説明してくれるか
- 専門用語を羅列するだけで終わる場合は、コミュニケーションが難しくなることも
- 「素人なのでわかりやすく教えてください」と言ってみて、その対応を見る
③ こちらの状況を丁寧に聞いてくれるか
良い税理士は最初に「状況を教えてください」と聞いてきます。
- 財産の内訳(土地・預金・株など)を確認する
- 相続人の状況(人数・関係)を聞く
- 「まず何をすればいいか」を一緒に考えてくれる
逆に、最初から「では費用は〇〇万円で」と言ってくる場合、こちらの状況を理解せずに見積もりが出ている可能性があります。
「合わないな」と感じたら断って別の先生に相談することは、当然の権利です。
④ わからないことを「持ち帰る」と言えるか
私が信頼できると感じた先生は、その場で曖昧な答えを出さずに「確認して折り返します」と言える方でした。税務にはグレーゾーンが多いからこそ、知ったかぶりをしない誠実さは重要なポイントだと思っています。
- 「たぶん大丈夫です」で終わらせない
- 不確かなことを正直に認められる
- 後日きちんと調べて連絡をくれる
⑤ レスポンスが早いか
相続には期限があります(相続税申告は原則10ヶ月以内)。メールや電話の返信が遅い先生だと、締め切りが迫ってから焦ることになります。初回相談後の連絡スピードも、相性を見る目安になります。
個人的には、レスポンスの速さは「仕事の丁寧さ」にもつながると感じています。急ぎの相談でもすぐ動いてくれる先生かどうか、早い段階で確認しておくと安心です。
費用の目安——「安すぎる」には理由がある
Point:相続税申告の報酬は相続財産の0.5〜1.0%が相場です。この範囲を大きく下回る場合は、内容を細かく確認してください。
費用の目安
| 相続財産の総額 | 報酬の目安 |
|---|---|
| 3,000万円 | 15〜30万円 |
| 5,000万円 | 25〜50万円 |
| 1億円 | 50〜100万円 |
※ 土地の評価が複雑な場合・相続人が多い場合は加算されることがあります。
「安すぎる」税理士の注意点
- 基本料金は安くて、書類の枚数や土地の評価で追加料金が発生するケースがある
- 税務調査(申告後に税務署が確認に来ること)の対応が別料金になっている場合も
- 経験が浅い・業務量をこなすために質を下げているケースもある
一方で、高ければ良いわけでもありません。費用が適正かどうかは、複数の先生に初回相談をして比較するのが最も確実な方法です。
ただし、個人的には「最安値を探す」という選び方はおすすめしません。税理士の仕事は費用と仕事内容が比例することが多く、安さを優先した結果、対応が雑になったり、使えるはずの特例を見落とされたりして、結果的に損をする可能性があります。「適正な費用で、自分の状況をちゃんと見てくれる先生」を選ぶことが、長い目で見て一番得です。
大家・不動産所得のある方へ
不動産所得がある方の確定申告(所得税申告)は、相続税申告とは別の費用がかかります。
月額顧問料制か・年間一括制か、費用体系は先生によって異なります。「顧問ではなく確定申告のみお願いしたい」という依頼も可能ですので、最初に相談形式と費用感を確認してください。
私の経験では、どこまでの業務をお任せするかによりますが、決算で数十万円・毎月の顧問料で数万円が一つの目安です。確定申告のみ・年次決算のみなど、依頼範囲を絞れば費用も変わります。まずは「何をどこまで頼みたいか」を整理してから相談すると、見積もりが比較しやすくなります。
私自身も最初は決算書がさっぱりわかりませんでした。そこで簿記3級を勉強したところ、収支の基本的な見方が理解できるようになりました。今は基礎は自分で把握しつつ、応用や判断が難しい部分は税理士に相談するという形に落ち着いています。
税理士に丸投げするより、自分がある程度読めるようになると相談の質が上がります。「先生の言っていることが理解できる」「確認すべきポイントがわかる」という状態は、費用対効果にもつながります。
まとめ
- 税理士も医者と同じで得意不得意がある——相続税申告は相続専門の先生へ
- 探し方は「税理士紹介サービス」が最も効率的。地域・専門・費用で絞り込める
- 初回相談(多くは無料)で「年間件数・説明のわかりやすさ・ヒアリングの姿勢」を確認
- 費用は相続財産の0.5〜1.0%が目安。安すぎる場合は内容を確認する
「相続税の申告が必要かどうかわからない」という方も多いですが、相続財産の合計が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は申告が必要です。まずは初回相談で「申告が必要かどうか」から聞いてみるのが最初の一歩です。
税務・相続に関する個別の判断は、税理士などの専門家にご相談ください。
地域・専門分野・費用で絞り込み。初回相談は無料の先生も多いです。
著者プロフィール けいすけ / 理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 11期目の大家。医療と不動産、両方の現場から「親の家、どうする?」を考えます。
📖 Kindle本:『訪問リハビリで見た、老後の住まいの「正解」と「嘘」』(¥500 / KU読み放題対象)
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