「あと3点だった」
試験の結果を確認したとき、画面を二度見しました。
合格点は36点。私の自己採点は33点。
あと3問正解していれば、合格していた。
宅建の試験は年1回、10月に行われます。1年間の努力がこの1日に集約される。合否が出てから次の試験まで、また1年待たなければいけない。
正直なところ、しばらく立ち直れませんでした。「もうやめようかな」と思ったのも事実です。
でも2年目、戦略を変えて受け直し、合格しました。今回はその「失敗→合格」の話をします。
1年目:TACで独学して「あと3点」
なぜ宅建を目指したか
私は理学療法士として訪問リハビリの仕事をしながら、家族法人の賃貸経営に関わっています。最初は非常勤役員として関わり、いまは常勤役員。役員になって3年目になります。
常勤になってからあらためて気づいたことがあります。両親はこれまで実務的なことはこなしてきた。でも法律周りの判断は、管理会社や業者に任せている部分が多かったんです。
「管理会社が言うのだからそうなんだろう」と受け入れ続ける状態。それが正しいかどうかを、家族の誰も確認できていなかった。
家族の中に、知識武装した人間が一人必要だと思いました。
賃管士を取って管理の知識はついた。次のステップとして、売買・契約・法律の基礎を固めようと宅建に挑戦しました。
1年目の勉強方法
使ったのはTACのテキストと問題集。いわゆる「完全独学」です。
前年に賃管士を完全独学で合格していたので、「同じやり方でいけるだろう」と思っていました。テキストと問題集だけで、コツコツ積み上げていく方法です。
1年目(2024年)は子どもが2人。使えたのは朝の1〜2時間だけでした。テキストを1周読んで、問題集を解いて、また読み直す。勉強期間は約1年。過去問を解くと6〜7割くらい正解できるようになっていたので「これなら受かるかもしれない」と思っていました。
何が足りなかったか
結果は33点で不合格。
振り返ってみると、「なんとなくわかっている気がする」状態のまま本番に臨んでいたことが問題でした。
過去問は繰り返し解いて、正答率もそこそこ出ていました。「これなら大丈夫」と思っていた。
でも本番の民法は違いました。過去問を完璧にしても太刀打ちできなかった。
少しひねった角度で聞かれると、まったくわからない。「条文の知識」は頭に入っていても、「なぜその条文がそうなっているのか」という根本的な理解ができていなかったんです。
宅建の権利関係は14問あります。1年目の私は5点しか取れていませんでした。過去問の正答率と、本番のスコアが全然一致しなかった。これが民法の怖さです。
2年目の戦略:「みやざき塾」で基礎を固め直した
1年目の反省から、2年目は勉強方法を根本から変えました。
みやざき塾の講座との出会い
2年目に使ったのが「みやざき塾」の有料講座です。早期割引で78,000円でした。
宮嵜先生の解説は「なぜそうなるのか」の理由から丁寧に説明してくれます。
たとえば「代理」の問題。テキストで読んだだけだと「本人に効力が及ぶ」という結論だけ覚えようとしてしまう。でもみやざき塾では「代理ってそもそもどういう仕組みか」から話が始まるので、「なぜそうなるのか」が腑に落ちます。腑に落ちると、応用問題でも迷わなくなる。
1年目に「わかった気」になっていた内容を、2年目は「本当にわかる」ところまで持っていけました。
結果、1年目に5点だった権利関係が、2年目は12点になりました。14問中12問正解。みやざき塾で「なぜそうなるか」を理解したことが、そのままスコアに出た形です。
勉強の進め方は、みやざき塾のテキストを読みながら講義動画を見る。これだけです。他の教材は使いませんでした。
ただし、1回見て終わりではありません。同じ講義を何度も繰り返しました。最初はゆっくり聞いて内容を理解する。理解が深まってきたら2倍速で聞き直す。最終的には2倍速でも内容が頭に入ってくるようになるまで繰り返しました。
「何度も聞く」ことで少しずつ定着していく感覚があり、これが民法の理解につながったと思っています。
みやざき塾を選んだ理由
- 「なぜそうなるか」まで理解できる丁寧な解説
- テキスト+講義動画がセットで体系的に学べる
- 受講料は法人の損金として計上できた(賃貸経営に必要な資格取得として)
法人の役員として、業務に関連する資格取得費用は損金算入できます。実質的な手出しは受講料よりも少なくなります。これも選んだ理由の一つでした。
LEC模試で「本番感覚」を確認した
みやざき塾の方針として、受ける模試は厳選するというものがあります。その理由が納得できるものでした。
世の中には多くの模擬試験がありますが、本試験と乖離が大きいものも少なくありません。難易度や出題傾向がズレていると、そこに時間をかけることがかえって遠回りになる。
その点、LECの模試は精度が高いとみやざき塾から勧められました。私が受けたのも2つだけです。
- 0円模試:無料で受けられる。まず自分の実力を確認するのに使いました。
- 実力診断模試:本番に近い形式・難易度。時間配分や本番の感覚を掴むために受けました。
模試は「数をこなす」より「精度の高いものを選んで、間違えた箇所をみやざき塾で確認し直す」というループが大切でした。
なお、みやざき塾にはオリジナルの模擬試験や問題集もあります。これをしっかりやり込めば、本試験でも十分に戦えます。外部の模試をあれこれ探さなくても、みやざき塾の教材で完結できるというのが率直な感想です。
一つ気になっていることがあります。宅建に落ちている方の傾向として、教科書をあれこれ買い込んで、模試もたくさん受けている方が多いように感じます。
「たくさんやれば受かる」という発想はわかります。でも宅建は量より質の試験です。教材を絞って深く理解する方が、合格への近道だと思います。
仕事(PT)しながら勉強するコツ
理学療法士の仕事は体力を使います。訪問リハビリは一日中歩き回って、患者さんの体を支えながらリハビリを行う仕事です。夕方には頭が働かなくなる日も多い。
働きながら宅建を目指す人に向けて、私が実践したことをまとめます。
朝に勉強する
夜は疲れて集中できない。朝1〜2時間が基本の勉強時間でした。毎朝同じ時間に起きて、家族が起きてくる前の静かな時間を使います。
「わからなくても先に進む」ことを許す
最初からすべて完璧に理解しようとすると止まってしまいます。「今はわからなくていい、2周目で理解する」と決めて前に進むことが大切でした。
隙間時間はすべて宅建にあてた
みやざき塾の講義はスマホで見られます。これを徹底的に活用しました。
訪問先への移動中、昼休みの5分、子どもを公園に連れて行った帰り、トイレの中——使える時間はすべて宅建の勉強にあてました。
「5分しかない」と思ってやめるのではなく、5分でも1本見る。その積み重ねが、朝の本勉強と合わさって力になりました。
合格して大家・宅建士として変わったこと
2年目、合格点を6点上回って合格しました。結果を見たとき、1年目の悔しさが一気に解放された気がしました。
合格後に変わったことを正直に話します。
重要事項説明書が読めるようになった
賃貸借契約の重要事項説明書を、自分で内容を確認できるようになりました。「この特約は有効か」「この条件はおかしくないか」が自分で判断できる。管理会社に任せっぱなしではなく、自分で内容を精査できる安心感があります。
不動産業者との話が変わった
物件の売買や融資の話をするとき、不動産業者が「宅建士をお持ちなんですね」とわかると、説明の質が変わります。「この人には基本知識がある」と見てもらえると、省略していた大事な情報も話してくれるようになります。
親が自慢していた
合格したとき、自分から周りに話すつもりはまったくありませんでした。黙って経営に活かせばいい、と思っていたんです。
でも気づいたら、両親が関係者にすでに伝えていました。本人に確認もせず(笑)。親心で自慢したかったんだと思います。
怒る気にもなれなかった。むしろ、それだけ喜んでもらえたんだな、と思いました。
「勉強して合格できる」という自信がついた
学生時代以来、試験勉強なんてしてこなかった私が、社会人になってから資格試験に合格できた。この経験が「次も勉強できる」という自信になっています。実際に賃管士・宅建・簿記と、3つの資格を順番に取得することができました。
まとめ
宅建は難しい試験です。合格率は例年15〜17%程度。でも、正しい方法で勉強すれば合格できる試験でもあります。
私が2年目に変えたのは「勉強方法を根本から変えた」ことです。
- みやざき塾のテキスト+講義(有料)で「なぜそうなるか」まで徹底理解
- LECの0円模試・実力診断模試で本番感覚を確認
- 模試の間違いをみやざき塾で確認し直すループ
一つ正直に言っておくと、私自身は独学では合格できませんでした。1年目に独学で挑んで、あと3点で不合格。2年目はみやざき塾の講義に頼って合格しました。
宅建は「なぜそうなるか」を理解しないと解けない問題が多い試験です。 法律の基礎がある方でも、民法の深い理解には講師の解説があった方が確実です。少なくとも私には、独学の限界がありました。
法律が初めての方には特に、通信講座の利用をおすすめします。
1年目落ちた方も、初めて受ける方も、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、資格を取って一番実感したことを書いておきます。
専門家に任せることと、専門家に頼りきりになることは、まったく別のことです。
不動産業者の説明を聞くとき、契約書を確認するとき、宅建の知識があるのとないのとでは、見えるものがまるで違います。「この条項はおかしい」「この説明は正確じゃない」と気づけるかどうか。
プロに任せることを否定しているわけじゃない。でも、基礎知識を持ったうえで任せると、任せ方が変わります。そして結果も変わります。
著者プロフィール けいすけ / 理学療法士(訪問リハビリ歴10年以上)× 宅地建物取引士 × 賃貸不動産経営管理士 × 大家歴10年以上。医療と不動産、両方の現場から「親の家、どうする?」を考えます。
📖 Kindle本:『訪問リハビリで見た、老後の住まいの「正解」と「嘘」』(¥500 / KU読み放題対象)
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